形を揺らすテーラリング
スーツやジャケットは引き続き中心。ただし、強い肩、絞ったウエスト、クロップド丈やマキシ丈、ドロップウエスト、コクーンやバルーンなど、身体との距離や重心を大きく動かしています。細身とオーバーボリュームが同じシーズンに並ぶこと自体が、今季らしい変化です。
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STEP 01 / KNOW THE SEASON
コレクションで目立った15のトレンドとトレンドカラーを、ざっくり俯瞰。日本のブランドが提案する、身近な着こなしもご紹介します。
2026AW / SEASON REPORT
ミニマルな土台は残しながら、服に装飾・感情・意外性が戻ってきたシーズン。端正な服をそのまま整えて着るより、シルエットを誇張し、相反する素材やムードを重ねることで、新しいバランスをつくっています。
スーツやジャケットは引き続き中心。ただし、強い肩、絞ったウエスト、クロップド丈やマキシ丈、ドロップウエスト、コクーンやバルーンなど、身体との距離や重心を大きく動かしています。細身とオーバーボリュームが同じシーズンに並ぶこと自体が、今季らしい変化です。
レース、リボン、フリル、ベルベット、花柄、チェックなど、歴史や手仕事を感じる要素が復活。上品に整えるだけでなく、重いブーツ、レザー、テーラードと混ぜ、少し影のあるロマンティックへ。古着や受け継いだ服のような「愛着」も、今季を読み解くキーワードです。
黒、ブラウン、グレーなど重い色を土台に、赤やピンク、メタリックを効かせる配色が目立ちます。ファー、シアリング、ジャカードの豊かな質感と、PVC、ラテックス、コーティングの人工的な光沢を同時に使い、懐かしさと未来感を一着の中で衝突させます。
レイヤード、ボンバー、パフォーマンス素材など、実用的な服も継続。ただし、オーガンジーやレース、構築的なウエスト、メタリックなどを重ね、機能性だけでは終わらせません。日常に着られる服をベースに、一点の強いフォルムや素材で印象を変える方向です。
つまり2026AWは、ベーシックを捨てるのではなく、形・素材・重ね方のどこかに少し強い選択を加えるシーズン。このあと15の流れを眺めながら、自分の装いに取り入れたいヒントを探してみてください。
2026AW / TREND COLOR PALETTE
NYFWのPantone発表と、ミラノ/パリのランウェイ報道、日本のトレンド記事を照合。深いニュートラルを土台に、赤・紫・黄を強く効かせ、くすみピンクとオリーブで落ち着きをつくる色構成です。
チェリーレッドの鮮やかさと、ブラウンを含んだレッドマホガニーの深みが共存。小物の差し色だけでなく、コートやドレスなど大きな面積で見せる提案も目立ちます。
ベージュを含んだクレイピンクと、紫みを帯びたモーヴピンク。白やグレーが混ざったような穏やかな色調で、ロマンティックな服を落ち着いて見せます。
ミリタリーの印象だけに寄らず、端正なジャケットやドレスにも広がる自然色。バーントオリーブの複雑な深みが、黒・ブラウン・温かみのある白をつなぎます。
クリームのような淡い黄から、発光感のあるアカシアイエローまで幅広く登場。一方、ロイヤルパープルやエッグプラントの濃色は、今季のランウェイで強い存在感を示しました。
温かみのある白、ダークグレー、トフィーやモカのブラウン、ブラック、深いネイビーが土台。今季は同じ色で揃えるより、マット・起毛・透け・艶を重ねて奥行きを出すのがポイントです。
色見本は傾向をつかむための参考色です。Pantone公式色の正確な再現ではありません。媒体独自の色名は一般化し、検索にも使いやすい名称へ整理しています。
モダンテーラリング

端正なスーツが、強調した肩やゆるく流れるシルエット、シャツ&タイの重ね方で新鮮に。クロップド丈やロング丈、ウエストコートなど、ジャケットの形にも幅が出ています。仕事着のきちんと感を脇役にせず、スタイリングの主役として楽しむ流れです。
RUNWAY REFERENCESGivenchy / Tod’s / Saint Laurent / Gucci / Tom Ford
ペプラム

ウエストまわりに立体感をつくるペプラムが再浮上。レースやフレアの華やかなタイプだけでなく、ジャケットの裾を彫刻的に広げた構築的なデザインも目立ちます。甘さを添える装飾から、全身のバランスを変えるシャープなシルエットへと広がっています。
RUNWAY REFERENCESDior / Givenchy / Stella McCartney / CFCL / Ashlyn
シュランケン&スリム

オーバーサイズ一辺倒だった流れから、身体に沿う細身のバランスへ。ウエストを絞った短めジャケットやコンパクトなトップスに、スリムなパンツや縦長ボトムを合わせる着こなしが増えています。90年代を思わせる、すっきりと緊張感のあるシルエットが新鮮です。
RUNWAY REFERENCESSaint Laurent / Gucci / Tom Ford / Celine / Miu Miu
ラウンドボリューム

肩や背中を丸く包むコクーンコートや、空気を含んだようなパファーが存在感を放ちます。エッグシェイプや大きく張り出す肩など、身体との間に余白をつくるフォルムがポイント。防寒着のボリュームを重たく見せず、やわらかな彫刻のように楽しむ流れです。
RUNWAY REFERENCESLouis Vuitton / Celine / Balenciaga / Loewe / Isabel Marant
ドロップウエスト

腰位置を低く見せるローウエストと、1920年代を思わせる縦長のバランスが復活。ローベルトや長いチュニック、腰下から動きが出るドレスなど、重心を下げるディテールが鍵になります。サテンやフリンジを重ねることで、歩くたびに揺れる夜の華やかさも加わります。
RUNWAY REFERENCESChanel / Lanvin / Miu Miu / Ferragamo / Khaite
ニューロマンティック

フリル、リボン、レース、サテンといった甘い要素が、より大胆なボリュームで登場。繊細なブラウスやティアードドレスを、重いブーツやミリタリー、構築的なアウターと組み合わせます。懐古的なロマンティックをそのまま再現せず、少し強く自由なムードへ更新しています。
RUNWAY REFERENCESDior / Chloé / Simone Rocha / Fendi / Valentino
ヘリテージチェック

タータン、グレンチェック、ハウンドトゥース、オンブレ、カラフルチェックまで、伝統的な柄が幅広く登場。クラシックなコートやスーツだけでなく、異なる柄を重ねたり、鮮やかな配色や大きなスケールで見せたりするのが今季らしさです。懐かしいチェックを、自由なミックスでモダンに更新しています。
RUNWAY REFERENCESDior / Chanel / Chloé / Dries Van Noten / Louis Vuitton
アニマルプリント

レオパードやゼブラなどのアニマル柄が、コートやセットアップといった大きな面積で大胆に回帰。黒との強いコントラストだけでなく、グレーや白を基調にした淡いスノーレオパードも目立ちます。野性味を前面に出すだけでなく、端正な服に取り入れて上品に見せるのが新しい流れです。
RUNWAY REFERENCESKhaite / Bottega Veneta / Tom Ford / Celine / Balmain
ドラマティックフローラル

黒地に浮かぶ花柄やジャカード、刺繍、立体的なフラワー装飾が秋冬の装いに広がります。軽やかな春の花柄とは異なり、ベルベットのような深い質感や暗い色調、大きなモチーフで見せるのが特徴。コートやドレスを一枚で主役にする、重厚でドラマティックな花の表現です。
RUNWAY REFERENCESDries Van Noten / Givenchy / Dior / Ralph Lauren / McQueen
シアー&レース

透ける素材とレースを重ね、秋冬にも肌の見せ方を軽やかに調整するスタイルが継続。ブラウンやブラックのレース、シアーなスカートやアウターを、ニットやシャツの上に重ねます。繊細な素材をコートやテーラードと合わせ、やわらかさと強さを同じ装いに共存させるのがポイントです。
RUNWAY REFERENCESSaint Laurent / Fendi / Prada / Tom Ford / The Row
ファー&シアリング

ファーやシアリングが、ロングコートやムートンジャケットだけでなく、襟・袖口・バッグなど部分使いにも広がります。長い毛足や大きなボリューム、深い色で見せるタイプが印象的。素材そのものの存在感を生かし、冬の装いに温度とドラマを加える流れです。
RUNWAY REFERENCESValentino / Gucci / The Row / Chanel / Bottega Veneta
ベルベット&タペストリー

ベルベット、ジャカード、ブロケードなど、室内装飾やアンティークの布を思わせる重厚な素材が注目されています。光を受けて色が変わる毛並みや、織りで生まれる柄の奥行きが特徴。ドレスだけでなくスーツやコートにも使われ、日常の装いに静かな華やかさと特別感を加えます。
RUNWAY REFERENCESLanvin / Dries Van Noten / Giorgio Armani / Givenchy / Dior
ブラック+レッド

深い黒をベースに、鮮烈な赤を一点または大きな面で効かせる配色が存在感を放ちます。靴やバッグだけを赤にする差し色から、ドレスやセットアップ、ファーまで赤で覆う大胆な見せ方まで幅広く登場。黒の重さと赤の熱をぶつける、秋冬らしい強いコントラストです。
RUNWAY REFERENCESBalenciaga / Bottega Veneta / Chanel / Dries Van Noten / Lanvin
ボンバーリバイバル

ボンバージャケットが、光沢素材やキルティング、ファーカラーなど多彩な表情で再登場。肩や袖に丸みを持たせたフォルムや、短い丈で重心を上げるバランスが目立ちます。ドレスや細身のボトム、端正な服と合わせ、スポーティーな定番を都会的に更新する流れです。
RUNWAY REFERENCESChanel / Louis Vuitton / Isabel Marant / Hermès / Coach
テックシャイン

PVC、ラバー、コーティング素材、メタリックなど、人工的な光を放つ質感が増えています。黒や赤の濡れたような艶、シルバーの反射、透明なアウターなど、素材の表面そのものがデザインの主役。雨や寒さを防ぐ実用的な服に未来的な輝きを重ね、秋冬の装いをシャープに見せます。
RUNWAY REFERENCESCourrèges / Loewe / Saint Laurent / Junya Watanabe / Tom Ford
RUNWAY TO REAL LIFE
ここまで紹介したのは、2026年秋冬のコレクションで目立った15のトレンドです。
そこで見られた色や素材、シルエットが、日常に取り入れやすい形へと変わり、私たちの身近な服にも少しずつ表れていきます。
お店で服を見るときに、
「あのガイドで見たトレンドが、こういう形になっているのかも!」
そんなふうに、つながりを探してみるのも楽しみ方のひとつです。
時間をかけて広がるものもあるので、これからの変化にもぜひ注目してみてください。
では今、日本のブランドはどんな着こなしを提案しているのでしょうか。ここからは、身近に取り入れやすい3つの方向をご紹介します。

服を重ね、色・素材・丈の違いで奥行きをつくるスタイル。
伝統的できちんとした装いに、ゆとりやカジュアルさを加えるスタイル。
フリルや装飾、立体的な形などで華やかさを楽しむスタイル。
ファー / レザー / スエード / ベロア / シアー / ツイード
全部取り入れなくて大丈夫。「好き」と思うものを、ひとつから。
好きなコーデ写真を3枚選ぶと、写真に写っている特徴を「フラワーレース トップス」「オーバーサイズ ブルゾン」のようなEC検索ワードに変換します。